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介護の知識

デイサービスの費用はどう決まる?要介護1~5・要支援の事例や軽減制度を解説

デイサービスの費用に関する書類を確認する高齢の夫婦

デイサービスの費用は、利用する方の「要介護度」や通う回数、利用するサービスなどによって決まります。

利用する方によって金額が異なるため、「自分の場合はいくらかかるの?」「デイサービスの費用はどうやって決まるの?」と気になる方も多いでしょう。

この記事では、はじめてデイサービスの利用を検討する方に向けて、費用が決まる仕組みをわかりやすく解説します。

要介護度別の費用例や自己負担を抑えるために利用できる軽減制度、費用を考える際のポイントも紹介します。

デイサービスの費用が決まる5つの項目

まずは、デイサービスの費用が決まる仕組みをみていきましょう。費用に大きな影響を与える5つの項目を解説します。

  1. 要介護度
  2. デイサービスの種類と規模
  3. 利用時間
  4. 入浴、機能訓練、サービス提供体制強化加算など
  5. 介護保険対象外の費用

なお、先にデイサービスの具体的な費用例を知りたい方は、「【要介護度別】デイサービスの費用例」をご確認ください。

①要介護度(基本料金)

デイサービスの基本料金を決める項目が「要介護度」です。以下の表のように、要介護度が高くなるにつれてデイサービス1回あたりの費用は高くなります。

利用時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
6時間以上7時間未満584単位689単位796単位901単位1,008単位
1利用あたりの単位数(通常規模、通常型デイサービスの例)

単位とは、介護サービスの費用を算定するために用いられる基準です。サービスごとに必要な単位数が定められており、地域区分によって1単位あたりの単価が異なります。

②デイサービスの種類と規模

デイサービスには、「通常型デイサービス」や「認知症対応型デイサービス」などの種類があり、利用するサービスによって基本料金が異なります。たとえば、認知症対応型は通常型よりも基本料金が高めに設定されています。

また、通常型デイサービスは事業所の規模によっても料金が変わります。事業所規模は「小規模」「通常規模」「大規模」に分けられ、それぞれ基本料金が異なります。

小規模(地域密着型)通常規模大規模(Ⅰ、Ⅱ)
678単位584単位543〜564単位
1利用あたりの単位数(要介護1の方が6時間以上7時間未満で利用した場合)

③利用時間

デイサービスの費用は、利用時間によっても変動します。以下の表のように、利用時間が長くなるにつれて費用は高くなります。

利用時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満370単位423単位479単位533単位588単位
4時間以上5時間未満388単位444単位502単位560単位617単位
5時間以上6時間未満570単位673単位777単位880単位984単位
利用時間別の1利用あたりの単位数(通常規模、通常型デイサービスの例)

④入浴、機能訓練、サービス提供体制強化加算など

特定のサービスを利用した際に発生するのが「加算」です。例えば、デイサービス利用中に入浴サービスを利用した場合、入浴介助加算(1利用につき40または55単位)が発生します。

加算は大きく「1日ごとに費用が発生するもの」「月ごとに費用が発生するもの」に分けられます。

ご本人が利用する際は、加算の種類や費用について、担当職員から説明を受けておきましょう。

1日ごとに費用が発生する月ごとに費用が発生する
入浴介助加算、個別機能訓練加算、サービス提供体制強化加算など介護職員処遇改善加算、栄養アセスメント加算など
主な加算の例

⑤介護保険対象外の費用

デイサービスが提供する食事やおやつ代は、介護保険の対象外です。

そのため、食事・おやつにかかる費用は原則として全額自己負担となります。オムツやパッド代も介護保険の対象外のため、使用した分は実費負担です。

介護保険の対象外となる費用は、事業所によって異なります。具体的な金額を知りたい場合は、厚生労働省が設置する「介護サービス情報公表システム」で検索・比較するか、利用を検討している事業所のホームページやパンフレットを確認しましょう。

【要介護度別】デイサービスの費用例

送迎車の前で介護スタッフが車いすの利用者の手を取っている様子

デイサービスの費用を要介護度別に確認しましょう。

実際の費用は、合計単位数に地域ごとに設定された「地域単価」を乗じて円に換算し、その金額に利用する方の自己負担割合を乗じて算出します。

ここでは費用の仕組みを理解するため、「1単位=10円」「自己負担割合=1割」として計算します。デイサービスの利用条件は次のとおりです。

試算の条件

  • 利用時間:6時間以上7時間未満(例:9:00〜15:30までのデイサービス)
  • デイサービスの種類:通常型デイサービス
  • デイサービスの規模:定員20名程度の「通常規模」
  • 加算の種類:入浴介助加算(Ⅰ)40単位、サービス提供体制強化加算(Ⅰ)22単位
  • 介護保険対象外の費用:食事・おやつ代、娯楽費として1利用あたり800円(オムツ代はなし)

要介護1の方が週1回利用する場合

要介護1の方が週1回利用する場合、月額費用は5,784円となります。まず1回あたりの費用を計算してみましょう。

  • ①介護保険の費用:584+40+22=646円
  • ②介護保険外の費用:昼食代など800円

1回あたりの費用は①+②=1,446円です。仮に月4回利用した場合、月額費用は1,446円×4回=5,784円となります。

要介護2の方が週2回利用する場合

要介護2の方が週2回利用する場合、月額費用は12,408円となります。まず1回あたりの費用を計算してみましょう。

  • ①介護保険の費用:689+40+22=751円
  • ②介護保険外の費用:昼食代など800円

1回あたりの費用は①+②=1,551円です。仮に月8回利用した場合、月額費用は1,551円×8回=12,408円となります。

要介護3の方が週3回利用する場合

要介護3の方が週3回利用する場合、月額費用は19,896円となります。まず1回あたりの費用を計算してみましょう。

  • ①介護保険の費用:796+40+22=858円
  • ②介護保険外の費用:昼食代など800円

1回あたりの費用は①+②=1,658円です。仮に月12回利用した場合、月額費用は1,658円×12回=19,896円となります。

要介護4の方が週4回利用する場合

要介護4の方が週4回利用する場合、月額費用は28,208円となります。まず1回あたりの費用を計算してみましょう。

  • ①介護保険の費用:901+40+22=963円
  • ②介護保険外の費用:昼食代など800円

1回あたりの費用は①+②=1,763円です。仮に月16回利用した場合、月額費用は1,763円×16回=28,208円となります。

要介護5の方が週4回利用する場合

要介護5の方が週4回利用する場合、月額費用は29,920円となります。まず1回あたりの費用を計算してみましょう。

  • ①介護保険の費用:1,008+40+22=1,070円
  • ②介護保険外の費用:昼食代など800円

1回あたりの費用は①+②=1,870円です。仮に月16回利用した場合、月額費用は1,870円×16回=29,920円となります。

要支援の方が利用する場合

要支援の方のデイサービス費用は、基本的に月額定額制となります。

要支援1要支援2
1,798円3,621円
1月あたりの基本料金

上記の基本料金に食事代やオムツ代などがプラスされます。

たとえば、要支援1の方が月に4回利用する場合、介護保険外の費用(昼食代など)が800円×4回=3,200円発生します。これに基本料金をプラスすると、1,798+3,200=4,998円です。要支援2の方なら、3,621+3,200=6,821円となります。

要介護の方は“1利用ごと”に基本料金が発生しますが、要支援の方は“1月ごと”に基本料金が発生する点に注意しましょう。

デイサービスの費用を抑える軽減制度

介護保険の軽減制度にはそれぞれ要件があり、対象者も異なります。ご本人が利用できる制度がないか、制度の名称や内容をみていきましょう。

高額介護(予防)サービス費の支給

高額介護(予防)サービス費は、1か月に支払った利用者負担額が、決められた上限額を超えた場合に、申請によりその超過分の払い戻しを受けられる制度です。

同制度は、介護サービス利用にかかる経済的な負担を抑えるのに役立ちます。高額介護(予防)サービス費の申請窓口は、お住まいの市区町村です。

社会福祉法人などの利用者負担軽減事業

利用者負担軽減事業は、「介護保険サービスの利用者」かつ「所得が低いため生計が困難な方」を対象に、その利用者負担額を軽減する制度です。

適用となった方は、利用者負担額が原則1/4軽減(本来の75%負担)されます。利用者負担軽減事業の申請窓口は、お住まいの市区町村です。

高額医療・高額介護合算制度

高額医療・高額介護合算制度は、医療保険と介護保険の合計自己負担額が高い方を対象とした制度です。

1年間(8月1日から翌年の7月31日まで)で、医療保険と介護保険の合算した自己負担分が一定の上限を超えた場合に、申請により給付(払い戻し)を受けられます。

高額医療・高額介護合算制度の申請窓口は、市町村ではなく医療保険者(協会けんぽ、健康保険組合など)となります。

災害や失業などの事情による利用者負担減免

台風や地震などの災害に見舞われた方や、失業などの状態にある方を対象とした制度です。

災害などの事情で利用者負担額を支払えない場合、申請により原則3か月以内の利用者負担額が減免または免除されることがあります。

日常的に利用する制度ではありませんが、万が一のときに備えて覚えておきたい制度です。詳細は、お住まいの市区町村のホームページなどで確認しましょう。

参考:東京都港区|介護保険利用者負担額の減額・免除制度

控除について

デイサービスの費用は、原則として医療費控除の対象になりません。

ただし、医療費控除の対象となる介護サービスとデイサービスを併用した場合、デイサービスの費用が医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となる主な介護サービスは、次のとおりです。

居宅サービス等の対価のうち、看護、医学的管理の下における療養上の世話等に相当する部分の対価として利用者が負担する金額については、医療費控除の対象となります。なお、これらの居宅サービス等を提供する居宅サービス事業者等が発行する領収証には、基本的に医療費控除の対象となる金額が記載されることとなっています。

引用:国税庁|No.1127 医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

適切な費用でデイサービスを活用するポイント

車いすの高齢女性に家族が笑顔で寄り添っている様子

デイサービスの費用を考えるとき、つい金額を抑えることを優先してしまうかもしれません。

ですが、費用だけでなく、サービスの内容や利用時間などにも目を向けることで、ご本人やご家族に合ったデイサービスを選びやすくなります。ここでは、費用だけにとらわれず、デイサービスを選ぶ際のポイントを紹介します。

区分支給限度額内におさめる

区分支給限度額とは、要支援・要介護の方が1か月あたり利用できる介護保険サービスの上限金額を指します。

上限額を超えた分は、原則として全額自己負担となるため、まずは上限額を超えないように注意しましょう。

なお、ショートステイや訪問介護といったデイサービス以外の費用も、区分支給限度額の対象となります。

要介護認定の再判定を行う「区分変更申請」を検討する

区分変更申請とは、認定期間の満了を待たずに、要介護度の“再判定”を申請する制度です。

区分変更申請によって、今のご本人に適当な要介護度が再判定されると、利用できる介護サービスの種類が増えたり、デイサービスに通う回数を増やせたりします。

特に「急なケガや病気で心身の状態が大きく低下してしまった」「本人の状態が変わって、家族の介護負担が増えてきた」などのケースは、ご本人や家族のために区分変更申請を検討する段階といえます。

次の更新までの期間とご本人・ご家族の状態をみて、区分変更申請も検討してみましょう。

本人が無理なく通える回数と時間を考える

ご本人が無理なくデイサービスに通えると、他者との交流や運動の機会などを定期的に確保できます。

継続的に利用して心身機能の維持・改善につながれば、新たな介護サービスを導入する必要性が低くなることもあります。結果として、介護にかかる費用を抑えながら、生活を続けやすくなる場合があります。

体調や意向に合わせて、利用回数や利用時間、利用するサービスの内容を検討しましょう。

家族が休める日数や曜日を設定する

ご本人の希望を尊重するだけでなく、支えるご家族が「休息できるかどうか」も大切なポイントです。

在宅介護では、介護者の心身に少なからず負担がかかります。デイサービスを利用することで、介護者が休息や気分転換の時間を確保することにもつながります。

介護を受ける方と介護者の状況を踏まえて、利用日数や利用曜日を柔軟に設定しましょう。

まとめ

この記事では、デイサービスの費用について解説しました。費用は、要介護度や施設の形態・規模、1日の利用時間、利用するサービスなどによって変わります。費用を考える際は、実際の料金だけでなく、利用される方の通いやすさやサービスの内容も確認しましょう。

また、デイサービスを選ぶときは、ご利用者様の満足度だけでなく、ご家族の負担も考えることが大切です。無理なく通い続けられるサービスを選ぶことで、他者との交流や運動の機会を確保できるだけでなく、介護を担うご家族が休息や気分転換の時間を持つことにもつながります。ご利用者様とご家族、それぞれの状況に合わせて、利用日数や曜日、時間などを検討しましょう。

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